うちのデスクトップ機をPhenom 9350eからPhenomII 940BEに換装した
最初は省電力の録画エンコVMその他諸々PCを作ろうと思って構成したんだけど、エンコ速度があんまりにも遅いのでついつい換装してまいました。
レビューとか書こうと思ったんだけどベンチマークの比較なんて散々出てるので実用的なところで温度とエンコ速度の実測値でも公開します。本当は消費電力とかも測りたかったんだけどワットチェッカーを持っていないので断念。
まず換装前の構成。
CPU | AMD PhenomX4 9350e | 2GHz×4 |
---|---|---|
CPUファン | 3R SYSTEM iCEAGE 120 PRIMA | |
OS | Microsoft Windows Vista Ultimate 32bit | |
マザボ | GIGABYTE GA-MA790GP-DS4H | |
メモリ | CFD FSH800D2BK4G | 2GB×4 |
HDD | Western Digital WD10EACS-00D6B0 | 1TB×3@RAID5 |
光学ドライブ | Plextor PX-B910SA/T1B | |
ケース | SCYTHE SCBC01-BK | |
電源 | ケース付属電源*1 | |
その他 | sknet MonsterTV HDUS(地デジ) | |
日立 HX520UJJ(B-CAS読み込み用) |
少し説明すると、マザーボードはSocket AM2+の790GX+SB750でグラフィックはオンボ使用、メモリはDDR2 PC-6400、ケースはフロント吸気ファン1発にリア排気ファン1発、サイドダクト無しの静音仕様*2となっています。
で、AMD OverDriveを使って各種データのスクリーンショットを撮りました。
見てもらうとわかるように、HTの参照クロックを上げて10%ほどオーバークロックしてます。CPUの電圧は定格の1.1V。
アイドル時の各種数値。さすがに省電力CPUなだけあって静音ケースでもコア温度29度と低いですね。
CPUのOC耐久テストでよく使われるPrime95を回して十分時間が経ったあとの数値。
ffmpegでx264変換しているときのスクリーンショット。見づらいですがタスクマネージャの下がエンコードのオプション、左のコマンドプロンプトが実際のエンコードをしている画面。この設定で9FPSとなっています。ニコニコうp用とかではなく保存用に圧縮してかつできるだけ高画質で残そうとしているので遅い…これを打開するために940BE換装を決意したわけです。
さて、ここで換装しようと思ってケースを開け、動作確認のためにその状態で電源をつけると、なんとリアファンが動いていない。
もともと動いていなかったのか、それともそのとき動かなくなったのかはわかりませんが、とりあえず排気ファンを変えると比較できないのでそのままで換装。ついでに電源変えたりファンコンつけたり…
CPU | AMD PhenomX4 9350e | → | AMD PhenomII X4 940BE | |
---|---|---|---|---|
電源 | ケース付属電源 | → | Corsair CMPSU-450HXJP | |
ファンコン | なし | → | SCYTHE KAMA METER |
ぶっちゃけ電源変えちゃうと正確に測れないかなーとは思ったんですがそこはご愛嬌ということで…
無事交換できたのでデータの確認。
動作周波数は3.0GHzと9350eの1.5倍、動作電圧は0.25V高い1.35V。またBlackEditionの名を冠する通りクロック倍率の制限が解除されていてとんでもないところまで上げられるようになっています。またPCIeの速度がなぜか最初からクロックアップされていましたがスロット使わないので無視。
さて問題は温度のほう。
まずアイドル。排気ファン止めてるせいもあってさすがに高い…
ちなみにCPUファンの回転数が0になっていますがこれは制御をファンコンに移したせいです。回転数はファンコン読みで約1050RPM。おそらく換装前と同等程度。
そしてPrime95回したときの高負荷時。実はこのときファン回転数をいっぱいまで上げて約1900RPMになっています。アイドル時と同じ回転数でがんばったんですがコア温度が70度超えそうになり断念。
そしてエンコの実力のほどは…13FPS。うーん、周波数の差と同じくらいですね。まぁPhenomとPhenomIIで大きくアーキテクチャが変わっているわけではないのであれですが、キャッシュも増えてるし…正直もうちょっと伸びるかと思ってました。
最後に940BEを周波数2.0V電圧1.1Vの9350e同様にしたときのアイドル時数値。9350eより15度ぐらい高い…
以上の結果を表にまとめてみます。
9350e idle | 9350e busy | 940BE idle | 940BE busy*3 | 940BE idle | 940BE now*4 | |
---|---|---|---|---|---|---|
Freq. | 2.2GHz | 2.2GHz | 3GHz | 3GHz | 2.2GHz | 3GHz |
CPU Core | 29 | 46 | 51.875 | 67.75 | 44 | 43.5 |
TMPIN1 | 43 | 47 | 47 | 48 | 43 | 40 |
TMPIN2 | 38 | 57 | 33 | 48 | 24 | 24 |
TMPIN3 | 46 | 61 | 54 | 68 | 46 | 46 |
CPU VCORE(V) | 1.07 | 1.09 | 1.34 | 1.34 | 1.09 | 1.18 |
ここで突然登場した940BE nowは今の状態、つまりSonicStageで音楽を聴きながらブログを書いているCPU使用率的にはアイドルに近い状態です。
改めて表で見てみると、9350e→940BEで電圧と動作周波数が上がっているにも関わらずTMPIN2の温度は下がっています。この温度がノースブリッジかサウスブリッジか、はたまたGPU温度なのかは定かではありませんが、940BE nowで電圧を定格の1.35Vから安定動作限界の1.2Vまで下げることによって5度近く(TMP1,3は3度程度)下がったので、回路の電気的な性質が温度の重要な要素になっていることがわかります。ここに45nmの恩恵があるのではないでしょうか。
一方でエンコ速度が周波数程度しか伸びなかったのは少し残念。まぁ速度が1.5倍になれば1週間に10時間分くらい録画している身にとっては絶対的な時間が大分短縮されるので嬉しいのですが、損得勘定を考えるとしたらあとは消費電力との兼ね合いですね…。
これからすることは、AODで940BE下限周波数の800MHzから定格電圧オーバークロック限界(実験済)の3.4GHzまでの最低安定動作電圧を測り、K10statというツールを用いて周波数可変の環境を作ること。C'n'Qでもいいんだけどオンボのサウンドボード使うとノイズ入るのと自由度が高いのでK10stat使おうかと思っています。これでアイドル時低消費電力、エンコ時フルスピードのPCを目指しますよっと。